時々野生

年に何回か野生の動物を彫りたくなります。どうしようもなく。オオカミは写真のもので4匹目。

オオカミは魅力的な動物です。サックス奏者の中村誠一の『ウルフのテーマ』を知っている人はほぼいないと思いますが、好きなジャズナンバーの一つ。レコードを20年以上見ていないのですが、どっかにあるはず(捨てられているかもしてないが・・)。

『ウルフのテーマ』を最近youtubeで発見して、時々聞いています。雪原を獲物を追って疾走するオオカミが目に浮かびます。写真のオオカミは随分前に粗切りしましたが、中々次に進めず。彫りたい気持ちが満ちたのを感じたので、彫り始めました。

ようやく気配を感じてきました。野生の。毎日、毎晩手に取り、あらゆる角度から眺めて、修正する日々。動物たちの休息日和展に出品するつもりですが、手放さないかもしれません・・。もうすぐ息遣いを感じるはず。

動物達の休息日和展(仮)

三度目の緊急事態宣言が出るみたいですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私が感じるこの1年間はとにかく思い出がないこと。どこに出かけるでもなく、在宅7割、出勤3割の日々。何の変化もなく、ただ時間が過ぎて、1年が経った・・。

台湾で予定していた個展も開催の目途がたたず。制作していた愛しい作品も、時間が過ぎると気になる所が見えてきて、修正の日々。私の作風もどんどん変化していて、過去作品に満足できなくなりつつあります。出来た作品は都度世に出していくべきだと思う今日この頃。

今年になってインスタに載せている作品たちを皆様に見ていただくべく、6月2日~20日の日程で東京綾瀬のDECOLAさんで動物達の休息日和展(仮)を開催することにしました。久々の個展です。フレブルが中心ですが、白熊、オオカミ、猫も展示販売予定です。

緊急事態宣言の延長があるなど不安定要素はあるものの、なんとか実現したいと思っています。作品はすべて6月20日まで展示される予定です。コロナで疲れた皆様の気持ちを少しでも癒すことができれば幸いです。

10cm以下の小さいフレブルは東京吉祥寺のsvale furnitureさんに納品しました。5月の企画展で販売予定と聞いていますので、ご関心のある方はsvale furnitureにお問い合わせください。

 

 

 

トップリーグ

JCOMでトップリーグのゲームをずっと見ていましたが、同僚からお誘いを受けて1年2か月振りに生のゲームを見てきました。

場所は駒沢陸上競技場。日野VSリコーの対戦。12時半に現地集合でしたが、駒沢陸上競技場は行ったことないので、入念に行き方をチェック。埼京線で渋谷まで、東急田園都市線に乗り換えて駒沢大学駅まで、ふむふむ。んっ、たしか駒澤大学駅は新玉線だったような・・。

何十年かぶりで渋谷駅で下車。東急といえば地下ではなく地上だった記憶あり。矢印どおりに進むもどうしても辿り着かない。深呼吸してもう一度案内の通りに進むと地下に入っていくではありませんか。

東急田園都市線の改札に入ってプラットホームに立つと、微かな記憶がよみがえりました。これは新玉線だ。何故なら、渋谷-池尻大橋-三軒茶屋-駒沢大学となっている。なにを隠そう、40年前の学生時代、池尻大橋に下宿していたので。

調べてみると、新玉線は2000年に東急田園都市線になったとのこと。なるほど。実は新玉線を使ったのは半年ちょっと。バイクの免許をとって、バイク通学していたのであまり使ってなかったんですよね。帰り道、何十年かぶりに池尻大橋で降りてみようか、とも思いましたが、止めました。

 

 

svale furniture

本日写真の小さいフレブル達をsvale furnitureさんに納品してきました。吉祥寺にある無垢材で家具を製作、販売しているお店です。

私が木彫りを始めたのは、お家の机や棚に木彫りの動物たちを置いて、ホッとする空間を作りたいと思ったからです。このHPのタイトルの「on your desk」もそこから来ています。

個別の販売ではなく、5月の企画展での販売になるとのこと。ご関心のある方はsvale furnitureさんにお問い合わせ下さい。

1111

今日から再び実家に戻っています。車で自宅から2時間半かかります。途中必ず寄るコンビニがあります。トイレ休憩と買い物目的。

本日会計をしていると、お店のお姉さんがあっと声を上げました。レジの金額が1111を示しています。ワァ珍しい、3桁のゾロ目は見たことあるけど四桁は初めてと満面の笑み。

些細なやり取りでしたが、ちょっと嬉しかったなぁ。いや、今年一番嬉しかったかも。1111と言うと、かつての北京での事務所の部屋番号が1111でした。最近ずっと気持ちが落ち込み気味でしたが、上向きになるかなぁ。。

 

サルビアの花

コロナ禍の中1年が過ぎました。在宅勤務、飲み会の自粛。長いこと生きていますが初めての経験でした。毎日同じような日が続き、思い出というものがありません。私などはどうでもいいんですが、若い人たち、特に学生の皆さんは本当につらいのだと思います。

私のリフレッシュはやはり木彫りです。週末に木彫りに没頭できているのでなんとか精神状態を保っています。スマホをxperia5に代えてから今まで以上にYouTubeで音楽を聴いています。彫っている時は必ず。さすがのsony、音質は素晴らしい。

最近聴いているのは『サルビアの花』半世紀前の曲です。「いつも、いつも思っていた。サルビアの花をあなたの部屋の中に投げ入れたくて・・」という失恋の歌。

私は親父の男子校に行けという圧に耐えて共学の高校に行きました。ところが1年の時は共学高校の中にある男子クラスに入れられました。しかも校舎も共学クラスとば別棟という最悪の状況。

遠足もあったのですが、バスの中は当然男ばかり。お決まりの歌合戦になり、学年1番の秀才のクラスメート(丸刈りでくそ真面目)が、マイクをとるとサルビアの花を歌いだしました。初めて聞く曲ですが、妙に心に沁みました。

どういうわけか、コロナ禍の中で突然このサルビアの花が聞きたくなり、YouTubeで検索するとすぐに出てきました。今聞いても心に沁みます。私もサルビアの花をあの子の部屋に投げ入れたかったなぁ。。。

世界の旅(13)キルギス

色んな国に行きましたが、住んでみたいと思ったのは、バヌアツとキルギス。今回はキルギスのお話です。

2度キルギスを訪れました。カザフスタンのアルマティから車で行きました。右手に天山山脈を見ながら、絶景の景色を見ながらの国境越えは格別でした。

モンゴルの草原も美しかったのですが、キルギスの草原も格別。途中野良馬(野生の馬)が土手に浮き出た塩を舐めていたのを見てびっくりしたことを覚えています。

写真の二人はキルギスからカザフスタンまで私たちを迎えに来てくれた二人。男性は運転手です。キルギスは、トルコ・台湾と並ぶ親日国です。キルギスに行って、何度も聞かされた話。その昔、キルギス人と日本人は同じ民族だった。肉の好きな人が西に移動しキルギスに、魚の好きな人たちが東に行き日本人になったとのこと。

キルギス人も蒙古斑があります。写真の二人もどこから見ても日本人。この話を私は今は信じています。最初の訪問時、アカエフ大統領とお会いすることができました。国家元首と面談した唯一の経験です。とても気さくでいい方でしたが、その後チューリップ革命で失脚。

行く先々でお前はキルギス人だと言われました。私の弟にそっくりだともいわれました。やさしい人々と美味しい食事。また、キルギスでラグマン(中央アジアのスパゲッティ。私の大好物)を食べたいなぁ・・。

ブリンドル

明日出社するため、実家から戻りました。21日からPCとWIFI持参で実家に再び戻ります。

土日に持参したシナ材を粗切りをしました(写真は一部)。全部で13体。このところクリームばかり彫っていたので、今回はブリンドル(黒)を彫るつもりです。彩色はクリームより難しい。

でもブリンドルもすごくいい表情をします。それを表現したいと思います。それから今月末にちっちゃい奴を吉祥寺のsvale_furnitureさんに納品予定。20体前後になるかと思いますが、素敵な無垢材の家具屋さん。お邪魔するのが今から楽しみです。

好きな作家

造形ではなく、小説の作家の方です。本はかなり読みます。本を選ぶときの基準が2つあります。まずは題名。基本ブックオフでしか買わないので、本棚を舐めるように眺めながら、面白そうな題名の本を手に取り、ざっとあらすじを見て購入する方法。

この方法は福岡に単身赴任していた時にはまってました。海釣りに没頭していましたが、週末は必ずブックオフに行って4~5冊の本を買ってました。埼玉の自宅に戻るまで200冊くらい読みました。初めての作家でも面白いと思えば、本棚にあるものを全て読みつくすという方法です。津本陽や熊谷達也はこの時に好きになった作家です。電車の中で夢中になって読んで乗り過ごしたこともありました。

もう一つは、大好きな作家の本を何度も読み返す、というものです。どういう作家かというと、村上春樹、宮城谷昌光、浅田次郎、開高健、山本一力、北方謙三あたりです。村上春樹はかれこれ40年くらいになります。

開高健は高校から大学生にかけて読みました。釣りをはじめ、世界を見て回ろうと思ったのは間違いなく彼の影響です。宮城谷昌光は中国の春秋戦国時代という何千年も前の中国を描く歴史作家です。これが実に面白い。がちがちの歴史小説ですが、ブレない主人公の生き方に感動して電車の中で涙することもしばしば。

浅田次郎の描く新選組、清朝末期の北京の小説にも心惹かれます。歴史が変わる時に旧体制側について滅びゆくものに強烈なシンパシーを感じます。小説ではありませんが、映画のラストサムライやダンスウイズウルブスなんかもたまりません。

村上春樹のことは何度も書いているので省略しますが、10歳先輩の彼と同時代に生きて、彼の小説を読めていることに心から感謝しています。あと何冊書いてくれるかわかりませんが、ともに生きていきたいと思います。

*実家の母親が再び体調を崩し、明後日からPCを持ち込んでリモートワークしながらの看護の日々になります。

 

木彫りについて思うこと

昨年コロナの影響で個展が開けず、作り貯めた作品が自宅と実家にたくさんあります。これらの作品を時間をおいて見直すと、修正点が見えてしまい、その度に彫り直しています。

1年前の私と現在の私の作風は明らかに変化していて、それを自分でも自覚しています。過去作品を今の作風に変えていく事。。。。。それがいいのか悪いのか。いいと断言することはできないのですが、今の自分は修正せずにはいられない。

結果、ずっと修正しているのですが、そこには限界もあり。より満足いかない形になるものもあるので。彫ったものは、あまり時間を置かずに世に出していく、たぶんそれがいいのかもしれません。

週末は試したいもの、彫りたいものがあるので、3体を時間のある限り彫ります。61歳。こんな強い思いがあることがいいのか、悪いのか。。