このかなしみ、何ならむ。

最近特に表情を意識するようにしています。オーダーでお任せいただく時には、徹底的にありったけの画像をみます。その中でグッときたものを選び出して、まず表情を決めてしまいます。そうすると感情が移入できて、結果として生命感のある作品ができます。

展示会向けの作品を今メインに彫っています。全くのフリーハンドではありますが、これまで記憶しているグッとした画像を参考に彫ることもあります。今回チャレンジしたのは、好きな作家の一人である開高健。

何十年も前の本ですが、「フィッシュ・オン」という釣行記があります。何度も何度も読んだ本です。その中で銀山湖の湖上の船の上で開高健がオールドをぐびっと飲んで顔をしかめる写真が私の大のお気に入り。

写真のフレブルは、最初からこのイメージで彫りました。写真のキャプションは「このかなしみ、何ならむ」。

 

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