私と木彫り(自己紹介)

木彫りを始めてから4年近く経ちます。美大を出たわけでもなく、中高時代に美術部にいたわけでもなく、彫刻をかじったこともない私が50代半ばの頃、突然何の前触れもなく、木で何かを彫りたいという思いにかられました(今考えても不思議です)。専用の道具ももちろんないので、キレない鋸と子どもが使っていた彫刻刀を使い、その辺にあった木片で小さな鰤を彫りました。四角い形が段々魚っぽくなり、急に生命感がでてくると、これが面白かった。初めて自転車に乗れた時のような感覚。それから1年間、ひたすら魚を彫りまくりました。50尾くらいかな。何の知識も経験もないので、見よう見まねで試行錯誤ばかりです。時間を忘れて彫っていました。

たまたま本屋で見つけた、はしもとみおさんの「木彫り動物手習い帖」を手にしたことで転機が訪れました。魚を彫るのに少し飽きていたのかもしれません。木彫りの生き生きした犬や猫などの哺乳類を見た瞬間、これを彫りたいという強い気持ちが湧いて来て、この日以降哺乳類を彫り続けています。画像や動画を見てぐっと来た動物を片っ端から彫りました。哺乳類には魚にはない難しさと面白さがあります。特に目に色を入れた瞬間、木片に生命感がボッと宿る時。作りながら作品に感情移入していき、愛おしくなります。彩色はとても難しいです。私には知識も情報もないので、これまた試行錯誤ばかり。気に入るまで彫り直しては彩色の繰り返し。最近になってようやく自分なりのやり方が出来てきたので、かえって良かったような気もします。私風の色合いが出てきたかな。

今も全く飽きることなく空いている時間の全てを使って木を彫っています。昔からの趣味だったバイク(売ってしまいました)を止め、釣り(フライフィッシングとルアー釣り)にも行かなくなりました。木彫りの魅力にどっぷりと浸ってしまいました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です