愛しのブラッキー

木彫りを始めて昨年くらいまではテーマを決めずに「彫りたい」と思ったものを彫ってきました。例えば旅先で出会った動物。

この3年間毎年2月に2週間インドのバンガロールの農村に行き、ダリットの子どもたちを支援する施設に滞在しました。インドは街でも田舎でも動物たちで溢れています(もちろん人もたくさんいます。あと数年で中国の人口を追い越します)。なんといっても目に付くのが牛と野良犬。日本と違って街でも野良犬と野良牛だらけ。田舎では農作業を助ける働く牛たちと野良犬。まずこの野良犬たちに強く惹かれました。都会でも田舎でもインドにはリードを付けた犬はいません。野良犬だけです。野良犬なので食の保証はありませんが、自由がある、つまり独立しているわけです。汚くやせ細っていますが凛としている姿に魅かれて、昨年は一時期インドの野良犬ばかり彫っていた時期があります。

私が滞在していた施設にブラッキーという犬(女の子)が飼われていました。といっても首輪もリードもつけていないのであまり野良犬と変わりません。このブラッキーが妙に私になついてくれて、毎年その施設を訪れてブラッキーと会えるのが楽しみでした。日本にいる時にも身近にブラッキーを感じたくて彫ったのが写真(上)の犬です。2年近く前に彫ったので拙いところも多々あります。今でも時々体を撫でてあげています。木彫りのいいところは、触れられる、撫でられることです。私がブラッキーを彫ったことを知った施設の代表のインド人が是非欲しいということなので、手放すことを決めました。一緒に入れるのもあとわずかです。

 木彫りのブラッキー

 本物のブラッキー

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