太郎

毎回個展に来てくれる友人がいます。11月の個展にも来てくれて、私の犬たちを時間をかけて眺めてから、なべさん、昔飼っていたパグを彫ってくれない、とボソッとつぶやきました。彼とは長い付き合いですが、今まで一度も犬を飼っていた話しを聞いたことありません。とりあえず話を聞いてみると・・

(以下友人の話し)

子どもの頃表参道に住んでいたんだけど、小学校低学年の頃からどうしても犬が飼いたいとせがんでいてね。とうとう、親が根負けして「ちゃんと世話をするなら」という約束で。(実際は母親の世話が多くなるという、よくあるパターンになりましたが。苦笑)今もあるけど、青山通りのケンネルに行ったら、当時全く見たこともなかった「ちょっとブサイクだけど、可愛い子犬」のパグがいました。正直、あの頃にパグを知っていた人はほとんどいなくて、みんなにブルドッグと言われてイラっとしてました。

写真はまだ子犬の頃で、家に来た時にはもっともっと小さくて親父の首に巻きついて寝ていた位。パグの中ではかなりハンサムだったと思う。結構、おバカさんでなかなか学習しない奴だったけど、とても可愛がっていました。

結局、母親が散歩中に自転車に後ろ足を轢かれたりして、晩年は足が弱りました。それで、1990年の3月に僕が人生を変えるきっかけになった「フィリピンへの体験学習ツアー」から帰って来る日に亡くなりました。旅行から楽しく戻ったら太郎が冷たく、固くなっていてね。泣きながらずっと一晩寝たのを覚えています。もしかしたら、人生で初めての身近な「死」だったのかもしれない。未だに太郎以外は飼えないなあと思うし、万が一飼ってもパグが良いなと思っています。まあ、ないと思うけど。

ということで、私の木彫りを見て40年前に飼っていたパグにもう一度会いたくなったとのこと。いい話し・・。自分の実力でどこまでのものができるかわかりませんが、チャレンジしてみることにしました。

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